何も問題意識を持たずに時間を費やすから、成長しない。この様な集団を烏合の衆という。
■会社・商品の事を良く知らなければ戦う集団の一員にはなれない。
誰も自分の事はよく知っている。
生年月日・血液型・星座・名前の由来等を社員に質問して答えられない社員は居ない。しかし会社の創業年月日・社員数・年商・歴史・メインバンク・商品のセーリングポイント等を尋ねても、十分に答えられる社員は少ない。
『隣の芝生は青く見える』ではないが、社長が想像している以上に社員は自社の事を知らない。
本当かと思われるなら、自社の会社案内・ホームページの中から、一度テストを作成し、実施してみると良くその実態がわかる。唖然とする事が多いのが実態である。
冷静に考えたら、自社の概要・自社の商品を知らずして戦いを挑もうとしているのだから、ある意味中小企業はたくましい。
■ある企業の事例
ある創業100年を超える食品メーカーの事例である。
100年を超えているから、その分野では老舗である。ましてやこの会社の創業者はその分野を日本で広めたとして、特産地に銅像が建っている。しかし、こんな誇りと感じられる事でも社員・パートはお構いなしである。
唯単に時間を過ごし、給料をもらいにきている集団としか外部からは見えない。会社の歴史、概要、商品がどのようなところで売られ、どのようなお客様が買い、どのような食べられ方をしているかは興味がない。
勿論、会社も教えていないから悪いが、パートさんと話しても出てくるのは『会社への不平・不満』ばかりである。
だからパートさんの入れ替わりも激しい。会社の良さを知る前に辞めてしまうのである。当然の如く、パートさんは自社製品を買わない。これでは文句を言う分、機械で会社運営をした方がましである。
新しい人は『会社の今を見て』判断する。会社の歴史等については、知らないから判断材料に加味されない。だからうまくいかない。このような会社の社長は穴熊タイプの社長が多い。つまり、社員との触れ合いが少ない社長である。
■戦いの原点
会社・商品の事を良く知る事は原点である。
戦闘能力の高い会社は足元にある事をキチンと出来る。名刺1枚で30分以上話ができなければ、戦闘能力はつかないと私はよく説明する。名刺には種々様々な情報が記載されている。会社名・役職・氏名・住所・営業所・取扱い商品・ロゴマーク等である。お客様・関係先に自社の事、商品の事を説明できなければ、戦えない。
現在の環境下では、営業担当だけが説明できても業績向上にはつながりにくい。生産部隊・管理部隊もキチンと説明できる会社はお客様への攻撃量を直接的・間接的に増加させる事ができるから、業績も向上しやすい。
■烏合の衆
ただ単に、『作業をこなす』パート・アルバイトならよい。しかし『仕事をする』社員なら、話にならない。自社の『売りは何!』、この商品の『特徴・他社との優位性は何!』、この商品は『どのような使われ方をし、どのようにお役に立っているか!』を知らない事は、作業を仕事のように見せかれて行っているのである。
何も問題意識を持たずに時間を費やすから、成長しない。この様な集団を烏合の衆という。つまり、戦う集団の一員としては認められないのである。
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