今、経営者に求められる仕事は経営技術の構築である・・・

■物づくりに技術があるように経営にも技術がある
外部環境の影響をもろに受ける中小企業は経営の技術を構築しなければ『社長のやる気=頑張リズムだけ』では続かない。つまり、思い付きの経営から脱皮し、利益を叩き出していく為のルールと基準そしてシステムを創る事が経営の技術である。
 
経営者が経営者になられた動機、理由は人それぞれ。しかし、現在経営者である事には変わらない。何らかの業種・地域を選択して、経済活動を通じて独自の目的・目標を持つ組織を運営する責任者が、経営者である。
 
組織の目的・目標を決定する事は、政治、スポーツ、どういう組織でも必ずトップの役割である。企業運営においては、経営者の仕事になる。法人に息吹を入れる目的、目標を創らない、又は創れない経営者は、結論から申し上げると経営者ではない。
経営者の出身畑を考えると圧倒的に多いのは営業出身。販売なくして事業なしは経営の基本中の基本であるから、必然的に営業出身の社長が多くなる。その次は製造畑の社長。
つまり、商品を販売する技術、物をつくる技術に長けている方は創業者になっても獣道を見つけては走り、広げていく事が出来る。結果、会社は10年間で生き残る確率が26%の難しいハードルを何回も何回もくぐり越え、今日がある。
 
しかし経営者の仕事を考えた時に『物を売るだけの技術』、『物をつくるだけの技術』だけではいけない。そこに必要なものが経営の技術である。
 
■経営部門の発想
元来、中小企業は片肺飛行である。
経営の技術を組織の観点から見ると、中小企業組織は営業部門、製造部門、総務・経理部門が基本構成部門である。しかし、残念な事に経営部門という発想が中小企業にはない。
 
大企業、中堅企業の場合は経営企画室、経営戦略室がある。そこには経営全般を専門に考える部署、専門に経営全般を見る人の存在がある。だから経営諸施策がやりやすくなる。これは賃金制度をみればよく理解できる。多く中小企業が大企業、中堅企業のシステムである人事考課制度、評価制度を導入するが上手くいかない。何故、上手くいかないかは簡単である。それは運営面を考えて導入しないからである。大企業、中堅企業には専門の人事部があり、そこで運営している。片や中小企業は総務と経理が合体した部門が運営するから上手くいかないのである。
 
つまり、専門性が高くなるほど、専門部署を設けて対応する方がやりやすいのである。
しかし、我々中小企業はナイナイ尽くしの資源で戦う戦い方である。必然的に人員、組織を見ても兼任、兼任、兼任という形で一人3役4役の形で頑張っているが実態である。企業規模が拡大し始めると、その『頑張っている働き方』に変化が必要となる。特に役員・幹部の働き方を『自部門専門から経営全般も考え、動く働き方』にチェンジさせる。そうすると経営部門の発想が出来るようになる。