会社を支える経営基盤力
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組織を迷う事なく行動させる集団統一の原則
集団を同じ方向性に向かせる7つのポイント・・・
■経営運営の最適化
経営の戦いの一つに規模との戦いがある。
従業員の数が10人、30人、50人、100人と増えると当然、『経営の舵取り方法を変えなければ』上手く回らない。人間で例えると、小学生の着る洋服と中学生の着る洋服は違う。小学生が中学生の洋服を着ても元気に遊びにくいだろうし、中学生が小学生の洋服をきても窮屈で動けないだろう。これは骨格が違うから当然の事である。
このように会社の規模が大きくなるとその形態、姿、運営方法を変えなければいけない。自社の経営運営の舵取り方法を最適化するとは、組織の目的・目標達成の為に組織行動を統一させる事。そして組織が迷うことなく行動出来るように強化していく。このポイントが集団統一の原則である。
■集団統一の原則の7要素
種々様々な組織の特徴は『価値観が似ている人』が集まっている。しかし会社組織は価値観・育った環境・年代・性別等の違う人達が集まる。故に、統一させる為に何か明確な意図を企てないと組織として機能しない。その明確な意図が集団統一の原則である。
価値観の違う人達が集まり、人間動物園をつくるのが中小企業である。だから何もしなければ、上手く回らない事を前提に会社運営を考えた方がよい。
この集団統一の原則は7つの要素があり
〇経営理念
〇中期ビジョン
〇構造形成戦略
〇方針
〇商材戦略
〇戦術
〇戦闘である。
この7つの要素をキチンと創る事により、組織が迷うことなく行動出来、考え方、行動の価値判断基準をよく理解できる集団へと変身・成長させる。
■組織を統一させるとは
組織を統一させるとは、集団の行動を右に行けと言えば、皆が右に行く事であり、組織に迷いが無くなる事である。この迷いが無くなる事は組織において大事な事である。〇我が社のビジョンはこうである
〇今期の方針はこうであると社長が口酸っぱくして言わなくても理解できる集団に成長できるようになる。
そうすると違う部分に労力がシフト出来、組織としての当たり前のレベルが上がっていく。
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経営には経営の技術がある
今、経営者に求められる仕事は経営技術の構築である・・・
■物づくりに技術があるように経営にも技術がある
外部環境の影響をもろに受ける中小企業は経営の技術を構築しなければ『社長のやる気=頑張リズムだけ』では続かない。つまり、思い付きの経営から脱皮し、利益を叩き出していく為のルールと基準そしてシステムを創る事が経営の技術である。
経営者が経営者になられた動機、理由は人それぞれ。しかし、現在経営者である事には変わらない。何らかの業種・地域を選択して、経済活動を通じて独自の目的・目標を持つ組織を運営する責任者が、経営者である。
組織の目的・目標を決定する事は、政治、スポーツ、どういう組織でも必ずトップの役割である。企業運営においては、経営者の仕事になる。法人に息吹を入れる目的、目標を創らない、又は創れない経営者は、結論から申し上げると経営者ではない。
経営者の出身畑を考えると圧倒的に多いのは営業出身。販売なくして事業なしは経営の基本中の基本であるから、必然的に営業出身の社長が多くなる。その次は製造畑の社長。
つまり、商品を販売する技術、物をつくる技術に長けている方は創業者になっても獣道を見つけては走り、広げていく事が出来る。結果、会社は10年間で生き残る確率が26%の難しいハードルを何回も何回もくぐり越え、今日がある。
しかし経営者の仕事を考えた時に『物を売るだけの技術』、『物をつくるだけの技術』だけではいけない。そこに必要なものが経営の技術である。
■経営部門の発想
元来、中小企業は片肺飛行である。
経営の技術を組織の観点から見ると、中小企業組織は営業部門、製造部門、総務・経理部門が基本構成部門である。しかし、残念な事に経営部門という発想が中小企業にはない。
大企業、中堅企業の場合は経営企画室、経営戦略室がある。そこには経営全般を専門に考える部署、専門に経営全般を見る人の存在がある。だから経営諸施策がやりやすくなる。これは賃金制度をみればよく理解できる。多く中小企業が大企業、中堅企業のシステムである人事考課制度、評価制度を導入するが上手くいかない。何故、上手くいかないかは簡単である。それは運営面を考えて導入しないからである。大企業、中堅企業には専門の人事部があり、そこで運営している。片や中小企業は総務と経理が合体した部門が運営するから上手くいかないのである。
つまり、専門性が高くなるほど、専門部署を設けて対応する方がやりやすいのである。
しかし、我々中小企業はナイナイ尽くしの資源で戦う戦い方である。必然的に人員、組織を見ても兼任、兼任、兼任という形で一人3役4役の形で頑張っているが実態である。企業規模が拡大し始めると、その『頑張っている働き方』に変化が必要となる。特に役員・幹部の働き方を『自部門専門から経営全般も考え、動く働き方』にチェンジさせる。そうすると経営部門の発想が出来るようになる。
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一体感経営
強みの源泉として『一体感としての求心力』と『チーム力』といった・・・
■中小企業の成長要因の一つ
中小企業の成長要因を一つだけ挙げるならば『一体感』である。
日本の経済を支える中小企業の一体感を研究した国がある。それはアメリカである。1980年代のアメリカは日本企業の攻勢にあいながらも徹底的に日本企業の持つ強みを研究した。その強みの源泉として『一体感としての求心力』と『チーム力』といった目に見えないものが挙げられた。そして強い関心が高まり、戦略・経営の仕組み等の目に見える部分と経営理念・組織力等の目に見えない部分の両輪が研究され、その重要性が問われた。
■一体感のつくり方は様々
中小企業の経営には『ルール・規則はその通りだが、フイーリングが合わない現象』が幾多とある。会社の成長軌道の安定期までは経営者が現場に出て、先導者として朝は早くから、夜遅くまで一身腐乱に働く。その姿に引きずられ、社員も同じように働く。そこには『残業が云々』・『休日出勤が云々』という世界はほとんどない。
お役所からはお咎めがくるかもしれないが、当事者達は『自分が好きで働いているので、ほっといてくれ』と思っている。これは『自分がこの会社を支えている』充実感で満たされているから、働き人としては幸せである。
一体感のつくり方は時代によって、経営者のキャラクター、会社の体質によって色々あるが、触れ合いを通じ、個々の人間性を認めあい、成果を共に喜び、悔しがる関係がベースである。
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公開経営
必要な情報が公開されないと社員が会社に対して『?』を抱く・・・
■何故、公開経営が必要なのか?
それは『経営は環境適応業』であるからだ。環境適応とは少子高齢化の人口構造になれば、シルバービジネスが発展成長するし、地球温暖化対策が必要になっている現在は環境・エネルギービジネスが成長する。この様に私達を取り囲む環境が変化すれば、それに順応していくのが、人間であり、社会であり会社である。
スマホ・PC・SNSを活用しない人はいないだろう。つまり、現在の社会生活は公開社会を基盤として生活を営んでいる。それに順応するように一個人では、この情報公開社会に対応し、生活を楽しんでいる。反面、24時間の中で多くの時間を費やす『会社生活』で最低必要な情報が公開されないと社員が会社に対して『?』を抱くのは普通の感覚である。
つまり、公開経営に踏み切れない会社は社員からリストラされると認識していただきたい。しかし『公開経営』と『ヌーデイスト経営』は違う。見せなくて良い部分は見せなくとも良い。これがバランスである。特に経営数値に関しては理解が出来ないテーマを見せても、いたずらに混乱を招くだけであるし、誤解の元である。
■まずは考え方を公開する
会社の考え方とはその会社の「価値観」である。この価値観を明らかにする代表的な経営施策の一つが「経営方針の決定」である。方針とは「レール」である。このレールは「まっすぐ」「左回り」「途中一旦停車」等とあるが、要は電車(会社)がどのように進んでいくかということだ。これは、短期的には1年間の戦い方を決めることである。経営方針をきちんと定めないのは、12カ月分のレールを敷き詰めないのと同じことだ。
だから、1年間の戦い方がチグハグとなる。チグハグとは部門ごとにバラバラであったり、個人によって好き勝手にやったりということで、こうなると統一体としての組織力は発揮できない。社長はこの経営方針を照れずにきちんと全社員に話し、訴えることである。確かに昨日までやっていなかったら照れると思うが、それで全社員に「我がこと」意識が芽生え、会社の基盤が強くなれば十分ソロバンが合う。だから、1年間の方向性を示していただきたい。会社の羅針盤をつくっていただきたい。
■次に業績の公開をせよ
そして次に業績の公開である。業績の公開といっても、そもそもあなたの会社の業績とは一体何だろう?一口に業績と言っても、「売上高」「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「経常収支」「一人あたりの付加価値高」などといろいろある。だから、まずは自社の経営レベルに応じ、我が社の業績とは何かを定めることである。ただし、社員が「売上総利益とは何か」を理解していないレベルで、「営業利益について……」と言われてもチンプンカンプンになるのは当然だ。これは順次レベルを上げればいいだけの話である。経営数値は専門学である。その意味やしくみを理解していないとわからない。
しかしその最低限の知識を理解することは難しくない。業績を定めたら、社員一人ひとりに到達度を確認させる。例えば一人あたりの付加価値高(月間)の基準が100万とする。この基準に照らし、今月は「○」か「×」を明確にすることである。「×」ならばあといくら足りないか、そしてどのようにすれば達成できたのかを反省し、次の月に生かす。基本はこの繰り返しである。
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社長一人ではなく、全社員参画型経営を思考せよ
自部門・自分の役割を全員が『我が事』として考えるから・・・
■自ら考え、行動し、責任を取る
参画とは自ら考え、行動し、責任を取る事である。バラバラ集団の組織を統一し、強化する為には全社員に『目的・目標の共有化』を図ると同時にどのように進めるかの『具体的計画の立案』とその方法を理解し・出来るようになる『周知徹底』が必要である。
中小企業の組織階層は経営者・役員・部門長・中堅幹部・中堅社員・社員の構成となる。特徴として、社長と社員間にはギャップが有りすぎるし、経営陣といえども差がありすぎる。勿論、給与を支払う側ともらう側では一致は絶対しないが、差が有りすぎるのである。だから、経営者が何でも自分1人でやろうとするから、『色々な経営施策の仏を彫っても、魂が入らず』状態になる。魂が入らないから、経営者が一人で苦労する悪循環に陥る。
■経営者への依存度を低くする
経営者が出来る事はわかっている。しかし、経営者1人では成果に結びつかない経営施策は山ほどある。目的・目標は全社員が同じである。しかし夫々の役割は違う。役割が違うから、『自分の部門・自分』は今、何を成すべきかを考えないと経営者への依存度が高まるばかりである。
そうなると会社を『社長の会社』としか見ない。自部門・自分の役割を全員が『我が事』として考えるから、そこには成果への執着が生まれる。そして達成した時の喜びが体感できるのである。体感度を強く感じる事ができる会社は『幸せを創れる企業』である。
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経営基盤とは
経営基盤とは、木で例えると土壌である。この目に見えない部分・・・
■企業基盤のインフラ整備
経営基盤とは、木で例えると土壌である。この目に見えない部分がしっかりしていないと木は成長しない。仮に大きな木の幹・葉をつけていても根っこが腐り始めると倒れる。企業規模に対応する経営基盤を構築する事を『企業基盤のインフラ整備』と呼んでいる。
通信・下水・水道・電気のインフラがあるから、日常生活ができる。そして環境変化に伴い、そのインフラも形を変える。
■7つの基盤
経営基盤とは会社が継続して栄える為の『人材基盤』・『商品基盤』・『財務基盤』・『管理基盤』・『顧客基盤』・『機能基盤』・『風土基盤』である。これを企業規模の変化に応じ、構築する事である。しかし、一丁一旦では出来上がらない。基盤を構築し、定着させる為には土壌を肥やす環境が必要である。
その環境とは ①公開経営 ②全社員参画経営 ③一体感をベースにしたものである。
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素材で勝てなければ素材を磨く環境で勝つ風土を作る
基礎的な能力が劣る中小企業の人間集団が・・・
私が『中小企業の基礎打ち屋』として1000社以上手術・治療してきた経験則でみると経営の第一義は継続して栄える事であり、その為に奇策はない。やるべき事をキチンとやる事の繰り返しが会社を強くする。
中小企業の社員は大企業の社員と比較すると基礎的な能力は劣るが、何とかこの会社で頑張っていこうとする労をいとわない職業人としての姿勢は立派である。
■では何故当たり前の事が出来ないのか?
それは能力がないから出来ないのではなく,今までやった事の経験がないのでやり方が解らず今は出来ていなかったり、習慣化されていなかったり、学習能力の差だけである。よくよく考えてみれば、選ばれし天才集団のプロ野球選手でさえ、自主トレ・キャンプで反復練習したプレーしか公式戦ではやらない。基礎的能力の高い集団でさえそうなのに、基礎的な能力が劣る中小企業の人間集団が鍛えないで戦えば負けるのは当然の事である。
■基礎的な能力が劣る中小企業の人間集団のレベルを上げる方法
その為には企業基盤の環境を創る事が早道であり、素材で勝てなければ素材を磨く環境で勝つ風土を作ることがポイントとなる。その環境とは ①公開経営 ②全社員参画経営 ③一体感をベースにした会社のシステムである。
経営者の背中を中心とした一体感で成長してきた中小企業にとって、その一体感の創り方を全社員参画型の公開経営をベースにした企業づくりへと変えなければいけない。特に創業者だから出来たやり方と後継者ができるやり方は根本的に違う
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