組織図をつくったばかりに、苦労する経営者は多い・・
■数字に弱い
「数字に弱い」というのも中小企業の問題点である。
コミュニケーションをするうえで、最も誤解が少ないのは「数値」である。客観的な事実だからだ。この数値を使って判断する習性がついていないために、どうしても抽象的なイメージによる企業運営になる。数値とは文字通り数字・数量。期限である。数値を使わないとあいまいなやりとりになり、成果は出にくい。
■組織作りが上手くいかない
次に「ルール・基準づくり」の問題がある。会社運営には「活動」と「管理」がある。畑を切り拓くのが活動、そして収穫をコントロールするのが管理である。活動が最優先であるが、活動ばかりで管理ができていなければ、本来収穫できる果実をムダにすることがある。その管理づくりの基本が「ルール・基準づくり」である。
経営者は、従業員が20名ぐらいになると組織図をつくりたがる。その気持ちもわかる。
しかし、組織図のつくり方にも問題がある。多くの会社は「人」に役職を当てはめていく。将棋指し的な考え方である。だから、組織がキチンと機能しない。役職を与えることが目的ではない。まずは、会社に今現在必要な機能は何かを考えることが先である。その機能が不明確なのに、人ばかり当てはめるから機能しない。
組織図はあるが役職者の仕事の責任・範囲がはっきりしていない状態になる。社長を通さないと何も流れない組織体系は、この典型である。組織図をつくったばかりに、かえって経営者が苦労している会社は多い。