中小企業という生き物を理解する
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中小企業の病気③ 標準化・道標づくり
海図なき航海では難破する確率は高い・・・
■標準化が苦手
「仕事の標準化ができていない」ことも弱みの一つである。人によって仕事の流れが違うなど、業務内容が統一化されていないため、できる人しかできない業務遂行レベルになっていることが多い。だからロスが多い。
■道標なき前身は危険がいっぱい
そして多くの会社に見受けられるのが、会社の「道標」がないために起こる問題である。道標とは、進むべき道に灯りを灯すものである。
夜道は、街灯があるから歩ける。同じように、会社も方向性。道順がなければ、社員は迷ってしまう。もともと会社は個性がバラバラな集団の集まりである。このバラバラな集団を同じ方向に進ませるには、道標が必要だ。
会社にとって代表的な道標とは経営理念であったり、ビジョンであったり、経営方針であったりする。これらは、いわば組織にとっての羅針盤である。海図なき航海では難破する確率は高い。
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中小企業の病気② 数字の認識・組織づくり
組織図をつくったばかりに、苦労する経営者は多い・・
■数字に弱い
「数字に弱い」というのも中小企業の問題点である。
コミュニケーションをするうえで、最も誤解が少ないのは「数値」である。客観的な事実だからだ。この数値を使って判断する習性がついていないために、どうしても抽象的なイメージによる企業運営になる。数値とは文字通り数字・数量。期限である。数値を使わないとあいまいなやりとりになり、成果は出にくい。
■組織作りが上手くいかない
次に「ルール・基準づくり」の問題がある。会社運営には「活動」と「管理」がある。畑を切り拓くのが活動、そして収穫をコントロールするのが管理である。活動が最優先であるが、活動ばかりで管理ができていなければ、本来収穫できる果実をムダにすることがある。その管理づくりの基本が「ルール・基準づくり」である。
経営者は、従業員が20名ぐらいになると組織図をつくりたがる。その気持ちもわかる。
しかし、組織図のつくり方にも問題がある。多くの会社は「人」に役職を当てはめていく。将棋指し的な考え方である。だから、組織がキチンと機能しない。役職を与えることが目的ではない。まずは、会社に今現在必要な機能は何かを考えることが先である。その機能が不明確なのに、人ばかり当てはめるから機能しない。
組織図はあるが役職者の仕事の責任・範囲がはっきりしていない状態になる。社長を通さないと何も流れない組織体系は、この典型である。組織図をつくったばかりに、かえって経営者が苦労している会社は多い。
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中小企業の病気① 仕事の委譲・基本動作
組織運営とは、人を使って業績を上げること・・・
■会社の舵取り方法を変える
中小企業の経営者は、社員に仕事を任せられない。組織運営とは、人を使って業績を上げることである。言い換えれば、部下をうまく動かして、結果を出させることだ。
だが、今まで一人で各部門を取り仕切ってきた社長にとって、部門・業務を完全に人に任せることには大きな抵抗があるし、心配もある。しかし健全な意味で会社を成長させようと考えるなら、会社の舵取り方法を変えなければならない。権限を委譲するような組織運営に変えることが必要である。
ただ、ここで誤解してほしくないのだが、任せることがすべて正しいと言っているわけではない。何でも自分がやらないと気が済まない社長は、それでもいい。会社を大きくしなければいいのだ。これも会社としての一つのあり方である。
■当たり前の基本動作が出来ない
また、多くの会社で見受けられる問題として「基本動作」ができていないことがある。朝起きたら「おはようございます―」と挨拶をする、散らかしたら片づける、このような組織人としてやらねばならない当たり前のことが基本動作である。
息を吸ったら吐くように自然に基本動作ができないと、組織人にはなれない。特にできていないのが、報告・連絡・相談と指示・命令である。指示・命令ができないことは深刻で、人を動かす基本動作ができないことは、現場に混乱をきたす。
また、決めごとを守るという基本動作もできていない。守らないこと自体が習慣になっている。決めたことをキチンとやる習慣がないと、どんな新しいことをやろうとしてもムダである。
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経営者のゴールデンエイジ
その社長は楽しそうに社員に夢を語っている・・・
■中小企業社長の人生は仕事一筋一代記
「60歳になったら、引退して自分のやりたい事をやる」と何人の経営者から聞いただろうか?
しかし、現実はそうはいかない事が多い。これも経営者という選ばれし人の宿命かもしれない。ある社長は創業40年、年齢65歳から急激に成長された。中学卒業後、四国地方から上京され、丁稚奉公に入った。仕事を覚え、奥さんと独立された
■社員に夢を語る事の素晴らしさ
経営は順調な時だけではなく、ある時期に業績が苦しくて賞与が出せない時があり、社員から「利益を出せる会社にしましょう」と励まされた。この時の経営基盤は顧客基盤と商品基盤そして風土基盤が出来ているのみであった。賞与が出せない時に、社長に相談され、会社の基盤づくりのお手伝いをさせてもらうようになった。
幹部の大半が中卒であった。しかしよく働く素直な人たちであった。みんな馴れない経営基盤づくりに悪戦苦闘しながら、挑戦された。そして創業し、40年かかったが、基盤が出来始めてからの急成長である。社長の粘りと信念と先見性で現在では地域にとってなくてはならない環境分野先端企業に成長された。その社長は社員に夢を語っている。本当に楽しそうに話をされる。経営者人生を締めくくる晩節に成長している事は本当に素晴らしい事だと思う。
■経営者に求められる7大づくり
経営者のゴールデンエイジは55歳から70歳迄の15年間だろうと小池は考えます。
経営者に求められる7大づくり(夢・人・商品・顧客・利益・資金・健康づくり)において、様々な経験をして、知識力・判断力・行動力で7大づくりにフルパワーで活躍できる時期。
30代・40代・50代・の経営者は是非、ご自身の身の丈に合わせた会社作りを目指してほしいし、60大の経営者は経営者のゴールデンエイジを謳歌してもらいたい。
そして、70代以上の経営者は経営者人生の晩節を本当に、良い姿で締めくっていただきたい。
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払いたくても満足させられない賞与
経営者一人がいくら頑張っても賞与は変わらない・・・
■人の財布と自分の財布
ご存知だろうか?
経営者は『賞与時期になると利益が出なくとも、資金繰りが苦しくとも賞与支給資金の借入れを起こす慣習がある事を』・・・
会社の数値には見えない部分があり、仮に数値上1000万の利益が出ていても手元に1000万の現金があるかというとそうではなく、本来あるはずの現金が在庫に化けたり、売掛金としてお客さんの所にあったりするから必然的に現金が足りなくなる。
だから、賞与資金を金融機関から借り入れを起こして社員の皆さんに支給するという『私人』では考えられない事が現実としての経営施策として行われている。私人として考えられない事とは、例えばご自身にお金ないと仮定して、お正月に親戚の子供達に消費者金融会社からお金を借りて、お年玉を渡すだろうか?恐らく親戚が集まる場を避けてお年玉を渡さなくても済むような対応をすると思います。
しかし、会社の賞与資金にも幾らかの利子がつく資金から支給されている事が以前より少なくなっているが、現実にはある。私人としてはお年玉を渡す為に消費者金融からお金は借りないでしょう。しかし経営者は賞与支給の為に同じ事をやっている事実を何人の人が理解し、問題意識を持っているだろうか?
財布の出所が会社に変わると自分に都合が良くなり、問題意識を持てなくなる事は役員・幹部として失格である。
■経営者は情に厚い
経営コンサルタントの目から観ると賞与は『会社にとって必要な営業利益、支給可能な自己資金があって支給する』ものであるが、清濁併せ呑む中小企業ではそうは簡単にいかない。ましてやそのトップである経営者は、相矛盾した心の葛藤に悩まされている。
ある経営者は社員が辞めた理由が『この会社で働いていてもマンションも買えない』と言われ、
社員の働く環境づくりと無理をして賞与支給している。又ある社長は『この社員を叱らないといけないが辞めるかもしれない・・・』と我慢している。ミスターコストカッターと呼ばれる人なら簡単に人員削減で片付けるだろうが、中小企業ではそれもままならない状況の繰返しで必然的に情も厚くなっていく。
■責任は取らなくとも責任は感じろ
賞与支給時期に経営者の話を聞くと『社員の顔をみるとその家族の顔まで見えてくる』『経営者としての責任が・・・』と日本人の伝統的思考である大黒柱発想が伺える。
しかし、会社の中における経営者は『大黒柱より中心的役割』が大切である。経営者が大黒柱的発想を持つから回りの役員・幹部の皆さんが『経営者に依存しすぎる』傾向が見られる。
本来、経営の常道から観ると賞与資金がなければ賞与は出せないし、利益がなければ賞与はない。仮にこの状況になったとしたら、その責任は社長一人ではなく、全社員にあるのではないだろうか・・・・・・何故なら、みんなの会社だからである。
経営者は最終的に一人で責任をとるが、責任を感じる事は役員・幹部・一般社員全員で感じなければならない。違う観点から見ると経営者一人がいくら頑張っても賞与は変わらない。全社員が目標・決まった事を実践するから賞与の額が変化するのである。
■人事(ひとごと)から関心事、そして我が事へ
冬期賞与を支給出来ない会社の社員達の話を聞く機会があったが彼らの不満は賞与が無い事ではない。社員は業績が悪ければ賞与金額が減額・無支給になる事は頭では理解している。大事なことは結果としての賞与無支給より、その過程の業績推移・賞与見通しを報告してもらいたかったという意見が大半である。
何故ならば、どの位、売上・利益を創れば賞与支給になるのかという目標がはっきりすれば頑張り方が違っただろうと後の祭りであるが社員達は考えている。つまり、社員達の願いは貰う事にこした事はないが、それより会社の継続繁栄を願っているのである。
賃金・賞与を貰う事に関しては我が事、業績・資金については人事(ひとごと)では会社を維持していく為に抜本的な構造改革をしなければ会社の第一義である継続・繁栄は難しい。先ずは、人事(ひとごと)から関心事に変え、そして我が事となる為に経営の仕組みをよく理解していきましょう!
以上
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中小企業は「ないない尽くし」の組織
組織とは、同じ考え方を持つ者が・・・
組織とは、同じ考え方を持つ者が目標の共有化を図り、その実践に向けて方策を考え、ルールと基準に基づいて、個々の役割に応じて動く集団である。そして個々の人間性を認め合い、成果をともに喜び合う関係である。人が2人以上集まれば、組織となる。政治・宗教・スポーツの世界など、あらゆる世界に組織がある。
ほとんどの組織は、価値観が似ている人が集まり、構成されているからまとまりやすい。まとまりやすいから、冒頭の条件を容易にクリアすることができる。しかし、中小企業は例外である。中小企業は、いわば「人間動物園」だ。たまたま同じ職場で働いているが、価値観が違いすぎたり、目標がバラバラだったり、行くべき方向性がわからず迷っていたりする。いろいろな人間が集まった、人間動物園のようなものである。
しかし、中小企業は人なし。物なし。金なし。管理なしという、「ないない尽くし」の環境に置かれている。さらに、一人2~3役の兼任主義で運営されているがゆえに、組織が持つ機能の深い掘り下げができず、日々、悪戦苦闘している。
組織としての骨格バランスが崩れているため、当たり前のことが当たり前のようにできない。頑張ってはいるが、頑張り方が違うために成果が思うように上がらない状態になっている。中小企業の基盤はこのように脆弱である。基盤が弱いために慢性的に何かしらの病気を抱えたまま会社運営をしているのが中小企業なのである- 中小企業という生き物を理解する
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中小企業の社長は人種である
中小企業の経営者を演じるから共通する人種になってしまう・・・
■人種になる背景
こんな事も出来ないのか!そんな事もわからないのか!
中小企業の経営者は幾度、苦虫をつぶした気持ちになっただろうか?
『肌感覚と常識感覚の違い』を頭と心で埋めるのに時間がかかる。肌感覚とは現場での出来事であり、常識感覚とは育ってきた環境から作られた価値観である。この違いに経営者は悩まされる。
しかし自分が好きでなった創業者・ならざるを得ない状況でなった経営者・継承しなければならなくなった2代目等 いずれにしても現在経営者である事には変らない。
■中小企業の組織特性
中小企業の組織特性は人・物・金・管理なしのナイナイ尽くしのバラバラ組織態である。常に兼任体制の1人3役主義で実務を行い、必要最低生産性を確保している。大手企業の社員と中小企業の社員を比較すると基礎的な能力が落ちる。例えば基本動作が出来ない、決め事を守らない、学習能力が劣る、自信が無くあきらめムードがあり、会社をやけに『ヒトゴト意識』で見ている。
反面、『オヤジの背中を意識し、一体感を持つ事を望んでいるし、働く事に労を惜しまない能力』は非常に高い。
多くの社長は自分の地の性格はNO2向きだと答えられる。しかしこのような特徴を持つ組織をまとめていくから、中小企業の社長は『共通した人種』となる。
上記の特徴を持つ中小企業を20年、30年まとめれば必然的に中小企業経営者として共通する人種になってしまう。
その性格と行動の特性は以下の通りである。
■中小企業経営者の性格・行動特性
先ず、中小企業の社長は好奇心旺盛で、元気でタフであり、年齢の割りに若々しい。朝は早く、嫌なことは率先して自ら行う。会社の鍵を開けるのも閉めるのも社長という会社は案外多い。朝は早く来て、掃除から始まり、新聞の精読、そして一仕事。それから社員を迎える。夜は社員の帰りを待ち、今日の報告をさせ、最後に戸締りをして帰る。本当に経営者はよく働く。
■中小企業の経営者は情に厚い
次に中小企業の社長は情に厚い。情に厚くないとわがまま人間動物園集団を束ねる事は難しい。昨今の後継経営者は六大学を出たりと高学歴になっている。それがすべてではないが、とにかく自分が培ってきた価値観と生き物として中小企業を見た場合にあまりにも感覚の違いが有りすぎて、誰もが戸惑う。しかし、5年・10年と人種としての中小企業経営者をやれば、情に厚くならざると得ない。「わかっていてもわざとだまされたり」、「注意をしたいが言えば辞めてしまう」、「時には借金の肩代わりをしたり・・・・」、「社員に子供が出来たら我が子のように喜ろこんだり・・・」と共に泣き笑う共感性が高い。大企業では考えられない事が日常で起こっている。だから反面、社長を中心とする一体感は強くなる。
■経営者は根気強く当たり前の事を大切にする
又、根気強く口やかましい。いつも社員の顔を見れば、基本的な事を繰り返し話している。「お客様との約束は守れ」、「挨拶はキチンとしろ」、「人様に迷惑を掛けるな」、「時間を守れ・・・」と挙げればきりがない。常に常識人としてのバランスを考えるから、礼儀礼節等の道義にはうるさいし、嘘をつかれたり、約束を守らない事が大嫌いである。
中小企業の経営者は独自の対処法を身につけている。苦労を苦労と思わない、見せないように自己訓練したり、孤独感を和らげる術を身につけていたり、清濁併せ呑む事を体に覚えさせている。経営者は白か黒かを判断する人である。しかし、今は判断出来ない、しない方がよいグレーゾーンの判断もある。色々な事が起きる。頭に理解させても、心ではわかりたくない事は沢山ある。
その時に酒を飲んで発散する事もあるだろう。いつも酒だと体も病んでしまう。だから、自然との処世術として覚えていく。
それにいつも危機感を抱いている。いつも何かしていないと気が落ち着かないし、常に現状の問題を見つけ、葛藤し、解決策を考えていく思考回路になっている。だから経営者は短気だしスピードを求める。社員が1週間でやると言えば、3日でやれというし、翌日にはどうなってと直ぐに報告を求める。このスピードの差は会社の事を365日24時間考えている人と240日8時間考えている人の差であるし、そうでもしないと決め事が進まないのである。
■経営者は気配りの人
経営者は気配りの人である。非常に細かい事に気づくし、気を配る。数字の合計金額が少しでも違えば、鬼のように怒るし、カレンダーや額縁が歪んだら直ぐに直さないと気が済まないし、食事に行けば食べ方・呑み方・振舞い方まで事細かに注意する。これは正しい習慣づけをしているのである。一社員だけではなく、一常識人としてのあり方を習慣付けているのである。だから、口やかましくもなる。こういう点にも経営者の責任の強さが表れている。又、社員のご家族に祝い事があれば、こっそりと祝ってやるし、ご不幸があれば、必ず社員を励ます。社員が気持ちよく働いてもらう為に気を使っている。
■経営者は常に前向き
常に前向きで、創造性・提案力が高い。常に今ある物、今行っているものを活用しNEXTを考えている。基本はケチである。しかし、このケチとは価値観の合わない事をする事がケチという意味である。1億の設備投資はするが、500円の交通費の使い方がソロバンに合わないと言っては猛然と社員と叱る。社員は叱られた意味がわからない。よくある事だ。会社の財布はシッカリ閉めるが、家庭の財布は奥さん任せの方が圧倒的に多い。そして自分の大事な財産として家庭・社員を挙げる経営者は非常に多い。
最後に成長している経営者ほど、素直である。自分の立場をよくこころ得ている人である。経営者は孤独である。しかし、「孤独と裸の王様」は違う。会社では経営者に意見具申する人はほとんど皆無だろう。情報が集まる経営者の振舞い方は「決して、それは聞いた、見た、知っている」とは言わない。それを言うと情報が集まらなくなる事を知っているからだ。人の説明を素直に聞く能力があるから、情報が自然と集まるのである。
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生き様を賭ける中小企業の社長
中小企業の経営者が如何に自立して立派であるか・・・
■生き様を賭ける中小企業の社長、面子を保つ大企業の社長
大手企業は何かと世間を騒がすと経営陣が揃って挨拶訓練をする。気を付けの姿勢で腰から頭の天辺まで一直線に伸び、角度も60度ぐらいで非常に挨拶訓練としては高い点数を出している。恐らく会見前にチーム挨拶訓練をしているはずである。そうしないとあそこまで複数人数の挨拶は揃わない。
型は心を宿すと昔から日本ではいわれる。しかしTVで観るからには心を宿した挨拶とは感じない。
記憶にあるところでは某銀行、某通販会社、某自動車等と一流企業と呼ばれる企業である。公的資金の投入、銀行からの債務免除、等その理由は様々だが、本当に経営者が責任を取った例がどのぐらいあるだろうか?会見でよく耳にする言葉は『再生を果たし、経営基盤をしっかり固め、後輩に譲る事が経営責任と考えている』とまるで、録音の再生みたいに多くの方が述べられる。
中小企業で同じ状況が発生し、後継者に譲る事が経営責任と考えている等と話したら、その時点で復活の道を塞がれるだろう。ましてや現実は経営責任を取る内容が違う。一流企業は一流と言われ、信用され、尊敬の念で見られるから、自分たちに厳しくなければならない。それなのに、経営責任を取らないとは何とも、言い尽くし難い事が起こっている。勿論それを決めるのは会社であるから、大きなお世話であるが、経営姿勢は商品である事を忘れてはいけない。経営者が責任を取るとは、一夜にして個人の資産を投げ出す事であり、これまで築いた信用も無くすと同時にその生活を強いられる事である。
■生き様は会社の繁栄の為に
かって、佐賀県に葉隠れうどんという地方の食品会社としては中規模でおいしい袋入りのうどんを製造販売している企業がありました。根強い人気あり、私は福岡の出身なので、よく子供の頃食べていました。しかしある一つの食品事故を起こしただけで、あっという間に倒産した。これが中小企業の現実である。
面子を削がれるぐらいなら、いくらでも削いでくれ。しかしそれだけでは終わらない。必ず、個人の債務保証がくる。あるI社長は若いが、必死になって恥を忍んで、体当たりして倒産を免れた。どうしても色々手を尽くしても決済資金として1000万足りない。政府系金融機関に頼みにいくが、その当時の貸し渋りで全く相手にしてくれない。明日、倒産かと思いがめぐる中、全く面識もない地元選出の代議士に連絡を取ろうとふと思いついた。直ぐに連絡をとり、秘書にあって窮状と貸し渋りの現状を訴え、理解してもらい、何とかピンチを脱した。
あるB社長は民事再生法の適用を受けた。民事再生法の適用を受けると金融機関からの借入は出来ない。常に現金で回していかねばならない非常に経営としては厳しい運営方法を強いられる。このB社長は恥も外聞も投げ捨てるだけはなく、性格を全く変えた。どんな仕事でも取る、どんな小さな繋がりでも仕事を取る鬼になった。あれから6年経ち、B社長から連絡があった。涙ながらに民事再生企業の終了を裁判所から認められたと本当に嬉しそうに話をされていた。
あるD社長は東北地方から学卒と同時に上京し、修行され、創業されて40強年になる。仕事は動物性の脂を扱う仕事で非常に重労働である。おまけに工場から出る臭い、音の事で近隣住民から槍玉にされていた。D社長は何十年も毎日欠かさず、朝6時から近隣の掃除、地域の公職を自ら買って積極的にやられた。言うことは容易いがやり続ける事は大変な事である。それでも自分の事業に誇りを持ち、努力をされ、現在では地域になくてはならない会社になられた。
私は中小企業に携わっている者として、中小企業の経営者が如何に自立して立派であるか、会社の継続繁栄を強く自分の生き様に反映させている事を誇りに感じます。ご覧の役員・幹部の方にご理解していただきたい。
それは生き様を賭ける中小企業の経営者、面子を賭ける大手企業の経営者の違いを通して、自社の経営者を見直して欲しい。そして、小さくとも自立して企業運営を行い、そこに参画(自ら考え、動き、責任を取る)している事を誇りと感じてもらいたい。更に自社の素晴らしさを社員に・家族に伝えていただければと強く思う。
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会社は潰れるように出来ている
いつの時代も倒産は起こる
皆様の会社は創業されて、何年経過されていますか?
■中小企業白書によると、企業が誕生して、十年間での生存率は以下の通りである。
〇一年後の生存率(新生児)は約72%
〇三年での生存率(幼稚園)は約50%
〇五年での生存率(年長さん)は約40%
〇十年後の生存率(小4年)は約26%。
つまり、十年で生き残る確率は30%しかなく、人間の生存確率と比較すると非常に生き残る事の難しさがわかる。
■倒産件数推移を経済分岐点でみると、
・コロナ(2020)7773件。
・通常期(2019)8,631件
・大震災(2011)12,707件
・リーマン(2009)13,306件
・バブル(1987)12,655件
倒産する要因は環境変化によって違うが、 景気の良い時、悪い時に関係なく、いつの時代も倒産は起こる。
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会社は人間動物園である
会社は人間動物園であり、潰れるように出来ている。
■組織は価値観が似ているが前提
元来、会社は人間動物園であり、潰れるように出来ている。スポーツ、趣味の世界等色々な組織の特徴は基本的に価値観が似ている人が集まる。例えば、草野球の仲間で今度キャンプをしようかと話せば直ぐに話はまとまる。しかし、会社組織は価値観・育った環境・年代・性別等の違う人たちが集まって作る特徴を持つ。だから、会社組織を統一させる意図を企てないと組織として機能しない。つまり、放りっぱなしの状態ならば会社は確実に崩壊するように出来ている。
■会社は何もしなければうまく回らない
育った環境が違う、何が好きか嫌いかという価値観の違う人たちが偶々、同地域に住んで、待遇的にも妥協できる状況で集まって組織をつくる。それが多くの中小企業である。どうしても現在の会社で働きたくてしょうがなかった人は5%いれば良い方だろう。動物の集団である動物園は自然の共生に基づき生きていくが、人間が動物園状態になれば『自分の生産性は忘れ、やれ評価が低いだの・・』『誰々さんと合わないだの・・』『会社の方針を示しても好き勝手にやっているとか・・』野放図状態になっている会社が多い。つまり、会社は何もしなければうまく回らないという事を前提に会社運営方法を考える方が上手くいく。
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