価値をわかる人を探し、その価値をフイットさせないと売れない時代・・・
■「誰に」「何を」「どのように」売るのか
中小企業の戦略を構築する最大のポイントに開発とマーケテイングが位置している。
勿論、大企業のように専任体制はつくれない。しかし、この機能がないと既存の商品を既存顧客へ提供するのみとなり、売上高・利益率は確実に減少していき、会社の未来を削っていく。そもそも、中小企業にマーケテイングは馴染みがないので、その機能役割 について、理解が不足している点がある。マーケティングは、過去のように広告宣伝や市場調査のみに活用されるものではない。 単純明快な事は、「誰に」「何を」「どのように」売るのかを明確にする事がマーケテイングである。
■価値を伝えるポイント
マーケテイングをマーケテイングだけで捉えるから、理解しにくい。「誰に」「何を」「どのように」売るのかを絞るとターゲットを決め、提供する商品のコンセプトを決める事に集約され、それを実行レベルで考えると見込み先探し、コンセプトの価値の伝え方etcが必要になる。素晴らしい技術を持っている製造メーカーは沢山ある。しかし、持っている技術の価値の伝え方に、技術開発ほどの知恵・労力を使っていない。顧客は自社の商品の30%ぐらいしか知らないのが現実。説明を聞いて、お宅はこんな事もやっているの・・・という事はよくある。
全ての業種に共通する事はものをつくる・サービスを提供する機能を持つである。 ものをつくるとはmakingであり、この意味には商品づくりと市場づくりがある。 サービスを提供するとは求めている人に存在を伝え、使い方を教え、利用方法をその顧客にFittingさせる事である。 成熟社会は売る時代ではなく、価値を伝える時代である
価値を伝える事の基本ポイントは
◎自社商品の価値とは何か
◎その価値を認めてくれる人は誰なのか
◎その認めてくれる人はどこにいるのか
◎その人にとって、自社はどのような存在でありたいのか
◎その人にはどのような手段をとれば、価値が伝わるのか
◎その人が得られる便益はなにか
◎その人がその価値あるサービスを利用する場面の想定
の7点である。
■サーフイットへの対応
安ければ何でもよい市場からは撤退せよ。パナソニックの津賀社長が社内に宣言した言葉。
ある分野やある地域などの様々な切り口で、夫々の顧客に密着して、そこでトップシュアを目指すとしている。誰に何を売るのか、焦点を絞って事業構造を組み替える必要性がある。活力を取り戻すには、賢い経営に変わるしかない。
つまり、規模の拡大から中味の勝負への転換である。
〇作れば売れた時代はニーズへの対応
〇価値を伝えないと売れない時代はウオンツへの対応
そして今はサーフイットへの対応(search+fit)が求められる。
価値をわかる人を探し、その価値をフイットさせないと売れない時代になっている。
サーフイットへの対応を熟考する時代である。