3年間で年商30億に満たない新規事業は撤退する事が・・・・
■中小企業の戦略は勝てる土俵で勝つ事が原則
いくら素晴らしい物を作っても、勝たなければ意味がない。
中小企業が素晴らしい技術、製品を開発する事はたくさんあるが、いくらいい技術、製品を作っても、自分たちが戦う土俵を間違えるとノウハウだけを盗まれ、弾き飛ばされる。
戦う土俵=勝てる場所を見定めないとまずい戦い方になる。クジラという大きな生物は太平洋で泳げばよいが、ミズスマシが太平洋に出たら、直ぐに波に飲み込まれる。小さな水たまりで我が物顔で振舞う方がよい。濁った水たまりでも中に誰もいなければ勝てる。これが戦い方であり、勝てる土俵で勝つ事が原則である。
■そもそもニッチ分野、すき間とは何か?
A社は化学薬品・溶剤関連商品の開発・製造会社で従業員数は10名強だがマーケットシュアNO1の商品を幾つも持っている。その一つに機能性飼料として牛や豚、鶏、養殖魚の栄養強化やストレスを解消する液体ビタミンを開発・製造販売している。この分野の製品は非常に珍しいので、開発が成功すれば、必然的にマーケットシュアを高く獲れる。中小企業が狙うべきテーマはニッチ分野で、すき間であるとよく聞く話だが、そもそもニッチ分野、すき間とは何か?
日本標準産業分類という経済産業省が定める業種区分があり、要するに日本の産業、業種の標準を分類したものである。例えば、冠婚葬祭互助会という業種があるがこれを産業分類で表示すると中分類・・その他の生活関連サービス業、小分類・・冠婚葬祭業、細分類・・冠婚葬祭互助会となる。これをニッチ分野、すき間戦略の視点で考える方法は、冠婚葬祭互助会で展開している商品群や困り事をピックアップ、〇その上で商品群毎や困り事にある特定の機能を付加させて、新しいすき間を見つけていく。
A社の例で考えると中分類・・水産養殖業、小分類・・海面養殖業、細分類・・まだい養殖業となる。まだい養殖業での困り事であるストレス解消の為に特定の技術を付加させ、液体ビタミンを開発・製造・販売の展開となる。
■何故、30億のマーケットサイズなのか?
マーケットサイズの視点でニッチ分野・すき間分野を考えると、現在のニッチ分野・すき間市場規模は30億円と変化している。このマーケットサイズの変化は大手企業の国内戦略の変化からきており、その代表格がパナソニック。津賀社長は社内に安ければ何でもよい市場からは、撤退せよと発信しており、ある分野や地域などの様々な切り口で、夫々の顧客に密着して、そこでトップシュアを目指すとしている。
又、ある超大手企業グループは新規事業展開において3年間で年商30億に満たないものは、撤退する事が新規進出の基準になっており、逆にみると年商30億未満マーケットには、出てこない意味でもある。因みに商品開発で有名な小林製薬は10億市場で勝てる商品を開発しています。