規模が大きいから良い会社、規模が小さいから悪い会社ではない・・・
膨張成長期を迎え、50億を目指す段階は2つに分かれる。
■衰退、倒産期
これは中身が伴わずに成長性が失速すると非常に危険な状態になり、最悪の事態を迎える事が多い。この規模の企業態は、図体はそれなりだが、中身があまり伴っていない。王将と歩の経営のスタイルから脱皮を図ろうと必死にもがいている。
その脱皮猶予期間を与えてくれているのが成長性である。売上が30億を超えると『入るお金と出るお金』の額が根本的に1桁変わる。中小企業にとって、桁が1桁変わる事は金融機関対策だけ観ても社長の資産だけでは、対応出来にくい状況になる。だから成長性というご飯を食べながら、バランス力の血肉を付けないと体を維持出来なくなる。
■拡大成長期
これは多面的展開に多機能導入(複数事業部制、本部制導入)により拡大成長し、50億企業になる。しかし外面は中規模企業であるが多面的、多機能の一つ一つの中身は中小企業のままでギャップの塊現象。多面的な展開で営業所展開をする。しかしその営業所の中身を観ると完全な中小企業である。一事業所で商売展開する中小企業は社長が常駐するので、問題に対応するスピードは速いし、会社の方針等を伝えるにも容易く出来る。しかし営業所は、営業所長がトップになる。だから営業所の中身は、実は中小企業よりも体質が弱い。つまり『グロスは中規模企業、しかし一つ一つの中身は中小企業よりも体質が弱い』事が多い。
そこに種々様々なギャップが多発する。この拡大成長期で、50億を突破する為には多機能即ち、本部制、事業部制を導入しないと、うまく回らない。それとこの規模の特徴は色々な事の『旧』と『新』のぶつかりあいがある。このぶつかりあいを通して『融合化』し、その会社にとって必要な事を築けないと人的側面で運営が難しくなる。
■拡大成長期からの成長軌道
拡大成長期を迎え、100億企業を目指す段階になると拡充成長期になる。 拡充成長期とは多面的展開、多機能導入の拡充により100億企業を目指せる体制になるのである。50億を突破して100億を目指す為には、多面的な展開、多機能の中身を如何に拡充するかである。拡充とは『広げ、且つ中身も充実させる』事である。この中身を充実させないと、100億企業になってはいけない。
会社の成長スピードは人の成長スピードより確実に早い。しかしそのスピード差を如何に無くすかがポイントになる。この時期では『王将と歩の経営のスタイル』から脱皮し、『担当役員経営者』が誕生しなければならない。中小企業の成長軌道は誕生期から拡充成長期である。
■継続して栄える会社がよい会社
自分の会社は、『10億を突破したい』、『30億を突破したい』、『50億を突破したい』と夢、ビジョンがあるでしょう。しかし反面、うちの会社は7億で十分である。これも一つの考えである。会社は規模が大きいから良い会社、規模が小さいから悪い会社ではない。継続して栄えている会社が良い会社である。