会社らしい会社を作りたい経営者とそれに対応できない幹部陣・・・
■社長が現場から離れる時がターニングポイント
創業した社長が、必死に生き抜き、豊かな明日を信じ、夢を追いかけ、ふと気がつくと、年商は7~8億になっていた。この段階までは、経営者の背中を中心とした一体感で成長してきている。そして、業績のベースが出来つつある。この時点での最大特徴は、社長が現場から離れるターニングポイントに尽きる。
つまり、経営者自身が販売や製造の親分から脱皮し、経営者の仕事へ挑戦し始める時期でもある。このターニングポイントが社内に変化をもたらし、その変化に対応できないから年商10億(社員30人)の壁を突破できない。
■社員30人未満の企業でよく発生する問題点
この規模の会社運営は、ガンバリズム体質がベースで社長のワンマンコントロールで企業運営を図っている。その体制から以下の代表的な問題点が発生しやすいので、年商10億(社員30人)を突破する事が難しくなる。
〇社長こけたら皆こける状態
〇個人商店の集まりで、組織で仕事をするやり方を知らない
〇ルール・基準がない思いつきの経営で、管理がやりづらい
〇人の動かす戦術が出来ておらず、会社の随所にムダが発生
〇幹部クラスが現場で人を動かすマネージメントを出来ない
〇仕事は増えるが、新人育成が出来ないので、幹部に仕事が集中し余計に忙しくなる
〇決まった事を守らない社員数が増え、クレーム等の発生数が増加等である。
■経営者の成長スピードが歪を発生させる
会社の成長スピードは人の成長スピードより格段と早い。そして、人の成長スピードでは経営者の成長がダントツに社員より早い点が成長していく会社に歪を発生させる。
社長は、本来の経営者の仕事にチャレンジしようとするが、自分のビジョンとベテラン幹部の能力に問題意識を持ち始める。色々と対策を講じるが、上手くいかないジレンマで経営者はイライラした気分になる。つまり、会社らしい会社を作りたい経営者とそれに対応できない幹部陣や上手くできない社内の仕組み、戦略等が10億の壁を阻むのである。