組織で仕事をする事であり、個人の能力に依存した仕事のやり方から脱却する・・・

■戦略展開で成長した会社が環境変化で停滞した事例G社(会社概要)
〇1940年の創業以来、食物関連資材開発・製造・販売事業
〇事業会社3社・6事業所・社員数200名・年商80億体制の規模
弊社にご依頼があり、事例G社の企業診断を行った事例です。
 
■診断とは
診断とは、いわば企業の「人間ドック」のようなものであり、マイスター・コンサルタンツが第三者的な立場から企業の現状を分析します。そして、現状の問題点の指摘からより良い方向へすすむための改善の具体策、集中して重点を攻略するための「改善の内容・スケジュールプラン」を提案させていただきます。
 
■事例G社の現状の状態(年商の壁突破の企業診断結果)
環境変化に戸惑う業績創造視点を置き忘れたガンバリズム彷徨集団である。
その背景は事例G社の成長要因は、業界を切り開いてきた先見力とその展開を現実化してきた戦略の力が最大要因であろう。先見力から暖簾・ブランドが生まれ、戦略展開の中に、独自性のある商品やシステムが誕生してきた。
 
企業では最大の強みが弱みに変わる時に、今までの強みがアキレス腱になる。戦術・戦闘型スタイルの業績づくりが苦手な企業が陥るパターン。戦術・戦闘型スタイルの業績づくりとは、業績を創り出す発想を持つ事。商品・人・機能には輝くものがあるが、残念ながらそれを動かす仕組み・発想・人的レベルが追い付いていない。
 
何を軸に、何を起点にこの会社を動かしていくのか?その軸になるものが不明確になっているので、3年先のおぼろげな姿は見えるが、その為に今日やるべき事  が現場社員には見えていない。各事業のタテの機能をキチンと整える事。これが各事業の業績を創り出す事であり、この足並みが揃い、その上での各事業間のヨコ展開となる。
 
現状の事例G社の組織運営機能は機能があり、現場でも稼働しているものは少なく、機能はあるが現場では稼働していないもの、機能そのものが明確にないものが多い。年商70億~100億企業のマネージメントレベルの特徴は、全社戦略と各事業部戦略が必要で、各事業戦略と全社横断のシナジー戦略発揮がポイントとなる。
 
部門責任者が各部門・各事業の戦略を立案し、戦術管理を行う事にチャレンジし始めている。これは、年商50 億~70億企業のマネージメントレベル。それに伴う機能をつくり始めたばかりで、現場への理解・浸透はこれからになるので、会社の末梢神経に障害が出て現場が混乱していた。
 
■事例G社の課題改善の方向性
現場に組織を運営させる機能を落しこみ、組織力をアップさせ、戦える集団をつくる事にある。現場に組織を運営させる機能を落しこむとは、〇〇社長の考え方を現場レベルに落とし込む工夫をする事。
 
組織運営の要諦は翻訳機能・統括機能・強制機能を強化する事。翻訳機能とは、会社の考え方を現場レベルに落とし込む事、統括機能とは、会社情報の公開・共有に力を入れる事、強制機能とは、決まった事を決まった通りにやらせる事である。
 
組織力のレベルアップとは、組織で仕事をする事であり、個人の能力に依存した仕事のやり方から脱却する事であり、全社員参画型で現場を動かす事がポイントとなる。
 
組織を運営していく機能とは事例G社マネージメント体系として、
〇理念・・・ミッションステートメント
〇戦略・・・全体戦略/事業戦略
〇方針・・・経営方針・目標、事業部方針・目標、各課方針・目標
〇商材戦略(業績づくり)・・・全社横断業績検討、各事業部業績検討、各課業績検討
〇現場マネージメント・・・戦術/戦闘     
〇環境整備・・・教育/基本動作/学習能力アップ6つの骨格を現場レベルに落とし込み、理解させ、稼働させる事である