会社の健全成長は規模への対応がポイントとなる・・・・
■30人未満の企業は社長絶対依存経営
経営スタイルは社長絶対依存経営である。社長絶対依存主義で社長こけたら皆こける状態である。社長の背中を見ながらの一体感が強く、風土としては良い状態が多い。しかし会社のルール・基準がない思いつきの経営なので、管理がやりづらい状態である。
小エリアで小ロット客が中心で、顧客に合わせた商品のために、ロスが多く、陳腐化した商品が多い。全体調整機能(社長)と販売機能・生産機能・財務機能の基本機能があれば、会社は動くが社長の現場兼務体制が多い為にままならない。又、財務面は経営者の個人信用・資産が頼みの綱状態である。
■30人~50人の企業は多面的展開経営
経営スタイルは多面的展開経営である。エリア・事業部拡大に伴い、企業規模拡大が起こる。核になる人財候補はいるが、人を動かす方策がなく、寄せ集め集団なのでバラバラ状態である。
急増する寄集め集団を動かすルール・基準づくりに対応しようとするが、戦術機能を司るマネージメント体制が無い為に上手く回らない。企業風土も今までの良さが忘れられ、おかしくなる。 マーケテイング機能がなく、主力商品の拡充展開・新商品開発が弱く、既存顧客に合わせた商品構成になっている。そして会社が小規模時代からの取引顧客、規模拡大直近の取引顧客が入混じり、顧客構成が曼荼羅模様になっており、顧客層の性質の違いから非効率が目立つようになる。
会社を動かす機能も基本機能のみで、人が増加し、人を動かす戦術がない状態では、会社の随所にムダがでる。営業機能が兼任で物流機能をやっていても効率が悪くなり戦えなくなる。又、財務の特徴は内部留保が少なく、ここぞという時の設備投資に難がある。又、資金繰りに社員は無関心である。
■50人~100人の企業は多機能的展開経営
経営スタイルは多機能的展開経営である。企業規模拡大を推進させる活動面と内部を円滑に動かす為の管理面の両輪に力を入れ始める段階である。
多面的展開に多機能導入(複数事業部制、本部制導入)により拡大成長するが、スタッフ機能が乏しく全体が機能麻痺状態に陥る事が多い。組織機能を細分化する必要性がでるが、業務分担・責任、オペレーションマニュアル、諸規定の整備などの組織運営への対応が後手になっている。
又、部門の要を任せる人財不足と組織運営を苦手とする層と推進する層の新と旧のぶつかりあいで、組織機能の細分化が進まず、経営者としてもどかしさが急増する時期でもある。商品構成・特徴が狙うべき市場・顧客特性に対応する深堀ができずに、又商品開発・開拓も後手になっている。
規模拡大に対応する管理基盤が出来ていない為に各種回転性(売上債権・棚卸資産)が悪化する。そして、実質資産の流動性が鈍るが、その要因を掴めない会社が多く、後手対応になっている。『旧』と『新』がぶつかりあうので、うまく融合化しなければ、風土破壊が起こる
■100人以上の企業はバランス重視経営
経営スタイルはバランス重視経営である。
組織運営におけるライン・スタッフ機能が曖昧で機能しない事が多い。又、部門経営者が居ない為に複層に渡る人財層ができにくい。会社全体を調整統括する基盤が乏しく、事業部毎のセクショナリズムに陥りやすい。
重点エリア・分野の顧客層のシュア拡大が思うように進まず、且つ主力商品の差別化要因が弱く、シェア拡大が上手く進まない。又、主力商品・複数事業部のシナジー効果が発揮できにくい。背景としては単体事業部の戦略のみから全社的な相乗効果を狙った全社展開戦略の必要性が出て、組織上、専任化機能が出来始めるが、上手く稼動していないからである。
又、財務面を観ると大規模な設備・事業投資に対応できる資金調達力に難点がある。
『意識は地域の大企業』、『やっている事は中小企業』。つまり意識と行動のバランスが崩れやすい外面良好ふらふら体質でバランス欠落体質を持っている