考える事をしない、出来ない職場は21世紀から排除される時代に・・・

■仕事の意味付け
最近のお会いする経営者の方が問題視されているテーマに考える社員の育成があります。よく、考える社員の増加が会社の未来を決めると話をしますが、仕事において物事を自分で考えるようにする為には、問題意識を持たせる事です。
その方法は、上司・先輩が社員に対して、現場仕事の意味づけを行う事です。仕事の意味づけとは、何故この仕事が必要かを理解させる事です。つまり、現場での業務内容に対し、
 ・なぜ、この業務が必要なのか
・この業務を身につけると次にどのような仕事が出来るようになるのか
・この仕事がもたらす満足度・喜び・達成感は
 
 この3点を上司・先輩が社員に説明し、その価値観を理解させる事です。
 
■考える力を鍛える当の勉強
私達は自分が取扱っているモノ以外の物を買ったり、サービスを受ける時は全てお客様の立場です。この時に問題意識を働かせているだろうか。勉強とは本を読んだりするだけではなく、日常の生活シーンで勉強していくのが、本当の生きた勉強です。例えば、日本酒を売る人は日本酒の事だけを勉強しても、売れません。日本酒とは、その地域の祭事・食文化・水・気候・歴史・文化・風習等の背景からつくられた産物です。だから、このような事を知らないと売れません。
 
■問題意識を持つ場面
それを知る事が本当の勉強となり、ここに問題意識を持つかどうかです。
〇スーパーに買い物に行くと、何故この商品が売れるのだろうか
〇映画に行くと、何故、この映画は人気があるのか
〇HPを見ると、何故、このサイトはアクセスが多いのか
 
 と私達の日常には『何故、何故・・』と問題意識を持つ場面はたくさんあります。この積み重ねが考える力を鍛えてくれます。
 
■「知っていること」と「考えること」は違う
歴史小説作家で有名な童門冬二さん(作家)がコラムにこのように記述されています。   “再建の達人”といわれるFさんと酒を飲んだ。企業の危機管理が話題となった。Fさんは次の様に語った。 危機の兆候は、3年前から起こる。 
 
しかし、企業内に“知識人”がふえて、“知恵者”が少なくなると、この予兆に気づかない。 知識人というのは、偏差値社会を生きぬいてきた、暗記と整理による知識で頭がいっぱいの人間をいう。 知恵者というのは、生起する事象に対して、いつ、どんなときにも的確に対応できる人間のことをいう。知識でできるのは、「評論」、知恵でできるのは「実践」といわれております。
 
■考えるを考える
知っていることを当てはめるだけならそれは考えるとは言わない。考えるためには、知っていることを直ぐに当てはめない(ちょっと待てよの視点)、別に答はないかと問い直す(正解はひとつではない)、何故、こうなるのか?(問題意識を持つ)の視点を持たせる事です。
 
仕事上における上司への依存の意味は、自分自身が対応しなければならない事を考えないという意味です。考える事をしない、出来ない職場は21世紀から排除される時代になっています。