人財を育てる為の技術
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人財育成マニュアルづくり③ 新入社員育成のすすめ方
入社して頂いた人であるので会社には育成する事に責任が・・・
■ブラザー・シスターの役割
ブラザー・シスターは、新人が一日も早く会社や業務になれ、一人前の戦力として働けるようにする為のアドバイス役で、育成指導の一翼を担います。中小企業の要は人材である。何かの縁が有り、我社に入社して頂いた人であるので会社には育成する事に責任がある。
その一端をブラザー・シスターの方は担う訳ですので、非常にヤリガイのある仕事です。どうか、新人が自立する為に自分の入社した時を思い起こして協力してください。事前にリーダーと新人の担当業務をどうするか。いつから何を担当し、いつ頃までに一人立ちさせるかについてキチンと話し合ってください。
■職場内の仕事における言動の統一
職場内の仕事における言動の統一を行う事も必要です。
先輩が、各自の言う事・する事がバラバラだと、新しい人は混乱するばかりです。職場のマニュアル・作業指示表に沿って、職場内の仕事における言動の統一を図る事に気を配ってください。その為にお世話係が責任を持って面倒をみて、毎日話しをしてあげてください。
新人の担当業務が決まったら、基本新人育成カリキュラムを把握すると共に、実務達成目標の区切り期間を参考に個別育成カリキュラムを立案し、リーダーに承認を得てください。また、新人にも、内容を確認してもらってください。新人も自分の仕事の予測がつく事で、今後に対する不安が解消されますので、自分の育成カリキュラムが出来ていれば、職場の一員としての自覚も生まれてきます。
新人を迎える時には気を配りましょう。新人は緊張・不安でいっぱいです。
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人財育成マニュアルづくり② 新人育成カリキュラム
会社の最強モデルをべースに作成する・・・・
■新人育成カリキュラムの内容
新しい人が入社し、1週間、1カ月、3カ月、6カ月、9カ月、⑫カ月等で、何を覚えなければならないのかをカリキュラム化する。
このカリキュラムには全社共通パターンと各部署単位パターンの2種類がある。先ずは全社共通パターンから始める。
その内容は
〇修得能力
〇修得時期
〇必要知識
〇必要技術
〇勉強ツール
〇勉強方法に分け作成する。
この勉強ツールは現在会社内にあるものをベースにし、新しく作成する事は極力しない。
■カリキュラムの実施方法
そしてその勉強方法であるが、何でもブラザーが行うわけではない。ブラザーはこのカリキュラムを実施したか、その修得状況はどうかを確認、推進する役割である。
例えば社長の役割もあるが、時間が取れなければ動画で作成するなりの工夫をすればよい。
この育成カリキュラムの作成方法は、
〇仕事が出来る人のやり方
〇業績が良いマネージャーの人育ての方法・教え方を中心に当事者達で作成する。
つまりその会社の最強モデルをべースにする。この要領で作成するので、内容を無視して、自己流でやっても時間ばかりかかり、成果は出ない。人が足りないから大変だ、人が育たないから業績が向上しないと反省弁は良く聞く。しかし不思議な事に業績の良いマネージャーの方が素直に育成カリキュラムを実践し、業績の悪いマネージャが独自でやろうとする。
一時が万事である。
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人財育成マニュアルづくり① 誰でも一定レベル迄成長させるモノサシづくり
育つスピードを上げる、育たない確率を減らす為に人財育成マニュアルがある・・・
誰でも一定レベル迄成長させる人財育成マニュアルを策定して、新人の育成を図っていく。人財を育てる為の人財育成マニュアルを実践すれば会社は必ず儲かるようになる。『教育という投資』は基本的に儲かるものである。
■学ぶ姿勢と学び方
人財育成マニュアルを作成する事は、成長しやすい環境を整える事である。しかし、本人の『学ぶ姿勢』次第でその成長度合いが変わる事を新人に認識させる。基本は現場教育である。しかも現業をやりながら育つ事には変わりない。あくまでも育つスピードを上げる、育たない確率を減らす為に人財育成マニュアルがある。
人財育成マニュアルがあるから、『教育されて育つ』発想ではなく、『新人社員自らが自らを鍛えてゆく』という考え方を理解させる。そのマニュアルを具体化させるので、期間毎(1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・9ヶ月・12ヶ月)に知る・理解する・出来るレベルの仕事を設定する事する事です。一定期間でどの仕事をどのレベルで出来るようになるか、その目安を設定する。
段階的な期間毎にカリキュラムを用意し、その出来るレベルにモノサシを用意し、育てていく
■ブラザー・シスター制度
ブラザー制度とは、新人に対し親身になって相談にのり、教育を推進していく担当者制度である。新人1人に対し、教える責任協力者を1人つくる事である。新人に仕事の中身だけではなく、『会社内の暗黙の了解事項』『それ以外の悩み事や人間関係の相談など』をお兄さん的存在で対処して頂くものである。
且つ、新人の出社時の様子の確認、変化の素早いチェックを行う。確かに部署全体で見ればと思われるが、全体で見ようとするから観れないのである。このブラザーに選ばれた人は、幹部・役員とその人が入社する前から打ち合わせを繰り返し、問題点があれば幹部・役員に相談する。このブラザーに選ばれる事は、会社の次代を担う社員として期待されている。
ブラザーは、ある一定期間の教育期間が終了する迄、責任をもち、自らも良く啓発していく。基本教育マニュアルは新人に持たせるが、ブラザーもその新人用のマニュアルを保持し、常に見直し、行動していく。
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人財を育てていく3育の力③ 育む(会社環境・システム)力とは
人育ての高等技術の勝負に持っていくと当然苦戦する・・・・
■環境とは
環境とは人財育成・開発の為の社内制度とシステムを創りである。
いくら人を育てようと思っても、
〇経営理念はない
〇ビジョンもはっきりしていない
〇経営方針も不明確
〇会社の業績状況もわからない
〇賃金体系も明確ではない
〇自分の役割が見えないような会社に人は育たない。
考えてみれば、環境とは目的を達成させる為の土壌作りである。花でも野菜でもそうである。土壌作りが悪いと肥料の種類、与え方、温度管理、日照管理等の高等技術を駆使しないと実が出ない。人育ての高等技術の勝負に持っていくと当然苦戦する。
■企業としての価値観を理解させる
これは
〇会社の歴史
〇会社の概要
〇経営理念
〇中期ビジョン
〇働く姿勢
〇会社の風土の意味合いを理解させる。
■次にモラールの高い職場づくり
これは
〇規律・けじめある社風
〇働きやすい職場環境
〇社員の労働姿勢・基本動作
〇会社に対する誇り
〇会社に対する帰属感・一体感
〇職場の士気向上に配慮する環境を創り上げる事である。
■そして企業の魅力づくり
これも会社により色々なテーマがあるが、基本は以下の通りである。
〇高賃金が獲得できるシステム
〇今よりレベルの高い仕事にチャレンジしている
〇自分の意見が会社に反映させるシステム
〇処遇に公平・公正・公開性がある
〇公開経営の実施
〇全社員参画型経営の推進がベースになる。
もちろん会社により、直に出来る部分、出来ない部分はある。例えば、会社の歴史・概要に付いては直に出来る部分である。このように出来る部分からチャレンジしていただきたい。
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人財を育てていく3育の力② 育む(上司・職場)力とは
教える側の標準化を図る。標準化とは教える側の内容、教え方・・・・
■悪貨に駆逐され育たない
この育つ力をどんどん醸成させる為には現場の上司とメンバーの育てる力が必要となる。会社の中で育っていこうとする姿勢を植えつけるのは、理屈抜きにOJTである。この会社の素晴らしさ、この仕事のお役立ちの意義を教えるのはOJTしかない。
いくら、本人にやる気があっても、配属された職場の環境が悪ければ、人は悪貨に駆逐され育たない。
■教える側の標準化
育てる力は職場の上司、メンバーの問題である。基本的には育てる力とは現場での教育が中心になる。だからこそ『教える側の標準化』が最重要テーマとなる。この育てる力を『人に頼る』発想を持つと上手くいかない。
日本の義務教育には『マネージメント・リーダーシップのカリキュラム』がない。ないから体験経験に基づいた自己流で対応する。だから『出来ない人』の確率が高くなる。それと同じ理屈でAさんは教えるのが好きで上手い、しかしBさんは教えない。入社した人には逆指名権は無いわけで、AさんとBさんの教え方、教える内容が違ってはいけない。
その為には教える側の標準化を図る。標準化とは教える側の内容、教え方、教える時期等を明確にする事である。その内容を人財育成マニュアルのカリキュラムとし、人財育成を行う事である。
■育てる力
新人に対して教育する先輩社員は、『教えるから偉い』のではない。あくまでも役割であるので勘違いしてはいけない。教える事はその内容を理解し、実践出来ないと教える事は難しい。
その為には自分の入社から現在に至る過程を振り返り、整理する必要がある。だから教える側が最大の勉強になる。教育する者のスタンスでブラザー・シスター制度がある。
ブラザー制度とは、新人に対し親身になって相談にのり、教育を推進していく担当者制度である。新人1人に対し、教える責任協力者を1人つくる事である。新人に仕事の中身だけではなく、『会社内の暗黙の了解事項』、『それ以外の悩み事や人間関係の相談など』をお兄さん的存在で対処して頂くものである。
且つ、新人の出社時の様子の確認、変化の素早いチェックを行う。確かに部署全体で見ればと思われるが、全体で見ようとするから観れない。新人が入社して、各部署に配属になる時期。育つ力の燃料切れを起こしたら、育てる力の労力が過度に必要になってくる。
是非、育つ力を醸成してあげてください。
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人財を育てていく3育の力① 育つ(本人)力とは
中小企業の労務政策は『数で測れる要素』で勝負したら、分が悪い・・・
人財を育てていくポイントは育つ力、育てる力と育む力の3点であり、その該当者は育つ力は本人の問題。育てる力は配属される上司、現場のメンバーの協力の問題。育む力は会社の環境、仕組みの問題である。育つ力と育てる力は『人財育成マニュアル』を創り、対応する。育む力は社内制度とシステムを創り対応していく。
■育つ(本人)力とは
この3点で1番大事なのは育つ力である。
『自分がこの会社で頑張っていきたい』、『この仕事を覚えて頑張っていきたい』と思わない限り、人は育つわけはない。つまり本人の問題である。中途入社組、新卒入社組でもその強弱はあれど、この会社で頑張っていこうと思い、入社する。しかしその気持ち・意欲がだんだん萎えてくるのは何故だろうか・・・・
面接時には『少々の事は目をつぶり、何とかこの会社で』と納得しているわけであるが、入社すると『思った内容と違う、自分には難しい』とか色々理由はあるだろう。でもそれが普通であり、100%思った通りの会社なんて自分が経営者でもつくれない。
■職業認識は働き甲斐につながる
例えば、自分は美容師になって人の髪を綺麗にしたい、自分はサーカスで頑張っていきたいと思う人は自分の職業ビジョンがはっきりしている。美容業界でチェーン展開をやっているお店の若い方は本当に朝早くから夜遅くまで頑張っている。朝の開店から閉店迄は通常業務をこなし、そこから自分のカット練習をする。終わるのが1時、2時になる。睡眠時間は4、5時間でも一生懸命努力する。
何故かといえば、『自分は美容師になる』という職業ビジョン・職業認識がはっきりしているからである。又、成長している美容師チェーン店は、細部にマニュアルがあり、このカットが出来たら『賃金は幾ら、等級は何級』と努力し甲斐のある動機付け、制度を創っている。
■仕事に誇りを持てない
しかし、通常のメーカー、卸売り業、小売業、サービス業、建設業では『職業ビジョン・職業認識』が入社時からあるかといえば弱い部分である。通常は会社の業務を通し、理解しながら『職業ビジョン・職業認識』を養っていく。
何とか『この会社で、この仕事』で頑張ろうと思い入社するが、その気持ち・意欲がだんだん萎えるのはこの職業ビジョン・職業認識にも関係がある。自分の会社・仕事の意義、お客様をはじめとする関係先へのお役立ち内容が観えず、仕事に誇りを持てない。だから観えるのは『数で測れる要素』の賃金、休日、残業日数、有給消化である。中小企業の労務政策は『数で測れる要素』で勝負したら、分が悪い。
私が尊敬する会社の一つに廃油を回収している会社がある。この会社の社員は『働かされていない』のである。廃油の回収業務は肉体的に大変だし、日曜日も出て頑張るし、朝は早くから夜遅くまで頑張る。でも、『お客様が困っているから』、『私はこの仕事が好きでやっているんだ』という気概が仕事ぶりから伝わる。勿論最初から出来ていたわけではない。自分達の職業認識の価値観を伝える地道な努力があり、出来ているわけである。
職業ビジョン・職業認識がはっきりしている人は元来、自ら育つ力を持っている事が多い。又逆説的に考えると持たないと育つ力を維持発展させる細胞が乏しい事になる。
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褒める技術は21世紀の人財育成のポイント
20代のメンバー世代は、ほめられながら育ってきた世代・・・
■小さなことでも褒める
リーダーは,部下たちの仕事ぶりを「当たり前」のことと見がちです。
〇それが仕事だから
〇そのくらいできて当たり前
〇やって当然 などといった具合です。
しかし、小さなことにも気がつき自らすすんで実行する、仲間の立場で考えて,ひと声かけるなどの一見些細なことを積み重ねてこそ,信頼感やチームワークが確立される。
したがって,「小さなことでもほめる」「目立たない長所や努力を探し出してでもほめる」ことが大切となるわけです。
■具体的に褒める
ほめる場合はより具体的にほめる事がポイントになります。
『すごいね、よくやってくれた』という誉め方より、『○○君のおかげで、来月の見通しが立ったよ。社長も喜んでいたよ』の方が具体的です。つまり、『なにが、なぜ、どれほど良いのか』を説明します。
20代のメンバー世代は、ほめられながら育ってきた世代です。だから、具体的にほめることの重要性が求められます。 『頑張れ』だけで頑張れる人はいないといいます。 「ほめる」とは、説得の技術であり、早く仕事を覚えて欲しい、成長してもらいたいと動機付けをすることです。
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考える力を鍛える
考える事をしない、出来ない職場は21世紀から排除される時代に・・・
■仕事の意味付け
最近のお会いする経営者の方が問題視されているテーマに考える社員の育成があります。よく、考える社員の増加が会社の未来を決めると話をしますが、仕事において物事を自分で考えるようにする為には、問題意識を持たせる事です。
その方法は、上司・先輩が社員に対して、現場仕事の意味づけを行う事です。仕事の意味づけとは、何故この仕事が必要かを理解させる事です。つまり、現場での業務内容に対し、
・なぜ、この業務が必要なのか
・この業務を身につけると次にどのような仕事が出来るようになるのか
・この仕事がもたらす満足度・喜び・達成感は
この3点を上司・先輩が社員に説明し、その価値観を理解させる事です。
■考える力を鍛える当の勉強
私達は自分が取扱っているモノ以外の物を買ったり、サービスを受ける時は全てお客様の立場です。この時に問題意識を働かせているだろうか。勉強とは本を読んだりするだけではなく、日常の生活シーンで勉強していくのが、本当の生きた勉強です。例えば、日本酒を売る人は日本酒の事だけを勉強しても、売れません。日本酒とは、その地域の祭事・食文化・水・気候・歴史・文化・風習等の背景からつくられた産物です。だから、このような事を知らないと売れません。
■問題意識を持つ場面
それを知る事が本当の勉強となり、ここに問題意識を持つかどうかです。
〇スーパーに買い物に行くと、何故この商品が売れるのだろうか
〇映画に行くと、何故、この映画は人気があるのか
〇HPを見ると、何故、このサイトはアクセスが多いのか
と私達の日常には『何故、何故・・』と問題意識を持つ場面はたくさんあります。この積み重ねが考える力を鍛えてくれます。
■「知っていること」と「考えること」は違う
歴史小説作家で有名な童門冬二さん(作家)がコラムにこのように記述されています。 “再建の達人”といわれるFさんと酒を飲んだ。企業の危機管理が話題となった。Fさんは次の様に語った。 危機の兆候は、3年前から起こる。
しかし、企業内に“知識人”がふえて、“知恵者”が少なくなると、この予兆に気づかない。 知識人というのは、偏差値社会を生きぬいてきた、暗記と整理による知識で頭がいっぱいの人間をいう。 知恵者というのは、生起する事象に対して、いつ、どんなときにも的確に対応できる人間のことをいう。知識でできるのは、「評論」、知恵でできるのは「実践」といわれております。
■考えるを考える
知っていることを当てはめるだけならそれは考えるとは言わない。考えるためには、知っていることを直ぐに当てはめない(ちょっと待てよの視点)、別に答はないかと問い直す(正解はひとつではない)、何故、こうなるのか?(問題意識を持つ)の視点を持たせる事です。
仕事上における上司への依存の意味は、自分自身が対応しなければならない事を考えないという意味です。考える事をしない、出来ない職場は21世紀から排除される時代になっています。
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会社の仕事に人の能力を合わせるから生産性がアップする
社員が10人いれば10通りに仕事のやり方が生まれ・・・
■仕事の基準・目安
会社の仕事に基準・目安(手順・工程・時間・指標)があるから、複数の人が同じ仕事をできるようになります。その逆は、社員個々の属人的な能力が基準になって、会社の仕事をやろうとするから、社員が10人いれば10通りに仕事のやり方が生まれ、会社の中が個人商店の集まりになってしまいます。
■その人にとって足りない部分が測定
そして、個人商店の問題は、現状の能力だけで仕事をやろうとします。また、その人のやっているやり方が正しいかがどうかも周りはわかりません。
人に仕事を合わせるやり方ではなく、会社の仕事に人の能力を合わせるやり方が必要です。仕事に人の能力を合わせると『その人は何ができ、できないか? それはどのレベルで出来ているのか等』を測ることができます。
つまり、仕事の基準・目安ができるから、その人にとって足りない部分がその人の教育テーマになっていきます。
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仕事の基準を見せる事が21世紀の教育スタイル
教育の2大スタンスである教える側と教えられる側のギャップが発生し・・・
■仕事を教えない自称職人集団
中小企業が業務標準化にとりかかるまでには、次のようなプロセスがあります。
◆プロセス1 会社の規模が小さく、社員が少ない段階
業務をわかっている(できる)特定の個人が仕事に対応しているレベル
◆プロセス2 会社が成長し、人数が増加し始める段階
会社の成長は、人の増員ではなく仕事の増加が本質的要因です。その増えた仕事に対応するために人を増員するがすぐには対応できないので、誰かが新人に業務を教えなければなりません。この段階でよく発生する現象があります。
経営者は「仕事を(部下に)任せろ」と指示はするものの、囲い込み意識が強く、仕事が忙しいという本人自己都合解釈の大義名分が蔓延り、一向に業務を教える事が進まないというもの。不思議なもので、私の経験上、業績が上がらない会社になればなるほど、必要性は強く感じていても仕事を教えないようです。
・忙しいから教えられないのか?
・教える意識がないから教えないのか?
・教える方法がわからないから教えないのか?
おそらくは、そのすべてが当てはまっているのでしょう。繰り返しになりますが、標準化とは「標準を定め、それを組織の誰もができるようにする活動」です。
だから、そのポイントは、業務について社員間の「相互理解」の促進と「互換性」の確保になります。
■仕事の基準を見せる
現在の成熟・縮小社会では、仕事が高度化になっておりルーチンワークの仕事が減り、初めて対応する仕事が増えています。その影響として、【仕事は盗んで覚えなさい理論】が適用しにくい流れがあります。
もちろん、「マニュアル=仕事の基準」で対応できるのは基礎的業務であり、それ以上の仕事=付加価値を獲得する仕事にマニュアルは通用しません。しかしこの基礎力は、成熟・縮小社会でないがしろにされている事(目の前の業績に追われすぎて)も事実です。
■マニュアルの受け止め方の違い
マニュアルの受け止め方は、35歳以下は【資料】と受け止め、ベテラン社員は【回答・虎の巻】と受け止める傾向があります。資料と受け止める意味は、マニュアルを仕事の基準として考えているからです。回答・虎の巻と受け止める意味は、マニュアルは仕事を盗んで覚えられない人間が頼るものと見ているからです。
特に、35歳以下の社員が多い職場は、この傾向が強くなっています。この35歳以下の社員が受けてきた教育の内容や種類、そしてその教え方が飛躍的に従来とは質的向上をしています。裏を返せば、恵まれた環境で教育を受けてきており、システム化された教育こそが真の教育とする認識が強いから、「マニュアル=資料=仕事の基準」となるわけです。
「マニュアル=資料=仕事の基準」の基本概念は、共有化です。日本でのPC検索機能はヤフーが20年前の1996年にスタートさせています。日常生活で共有する知識を活用して育った世代からすると、マニュアルは資料であり、基準の考えとなるのは当然。ここに教育の2大スタンスである【教える側】と【教えられる側】のギャップが発生し、40代の上司が若手人材育成で苦悩するわけです。
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