会社にDNAがないと人間動物園の放りっぱなしの状態になり、確実に崩壊・・・

■経営理念は経営者の信念
日本において、経営理念を重要視した経営者として松下幸之助氏があげられます。松下幸之助氏は事業経営の一番根本になるのは正しい経営理念であり、経営理念とは、この会社は何の為に存在しているのか、この経営をどういう目的で、またどのようなやり方で行っていくのか、という点についてしっかりした基本の考え方を持つ事であると説明しています。
 
■家訓なくとも家族はまとまるが、理念なき会社はまとまりにくい                         
家族に家訓がなくとも同じDNAが流れていますので、家族はまとまりやすい。しかし、会社にはこのDNAはなく、敢えて後付けで作るしかありません。そのDNAとは同じ会社で働く上での考え方や行動の仕方を定めたものです。
 
中小企業という組織は、育った環境が違う、年代が違う、何が好きか嫌いかという価値観の違う人達が偶然に同地域に住んで、通勤距離が短い等の物理的理由で一つの会社に集まり、組織を作ります。だから会社にDNAがないと人間動物園の放りっぱなしの状態になり、確実に崩壊します。
 
そもそもチームとは、仕事に必要な数人が集まったから「チーム」になるわけではありません。大前提として、メンバー全員がチーム一員である当事者意識を持ってうえで、チームの共通の目的、達成する目標、それに向かうためのプロセスを共有する集合体がチームであり、チームワークを強化していくには、共同で何かをする前にチームづくりを行わなければなりません。つまり、会社は何もしなければうまく回らない事を前提にチームづくりを行う発想が必要となり、その対策が組織集団を統一させる原則。
 
■経営理念は集団を統一する源
この経営理念は木の根っこの役割でこれがしっかりしていないと木は成長しません。仮に大きな木の幹・葉をつけていても根っこが腐り始めると木は倒れる。つまり、経営理念が立派でも実際の経営をデタラメにやると目に見える部分の成果は上がらない。正しい経営理念を持つと同時にそれに基づく具体的なビジョン・方針・商材戦略・戦術・戦闘が環境に適合していないといけない。
 
■日常の考え方・行動を具体的にする行動の原点
『青信号は渡り、赤信号は止まる』。皆が知り、実行するから交通社会は成り立ちます。会社運営においては、会社内で全員が理解できる共通の価値観・言葉がないとバラバラになります。だから会社内の共通語が必要になります。よく、阿吽の呼吸とか俺の目を見ればわかるというが、わからないから会社がうまくいかないのであり、その解決の為に同じ言語を使える同一社族をつくる事が必要となります。
 
経営理念は、企業の存在意義であり、これから私たちが目指していく目標・姿です。この目標を日常の中で実践していく為に、日常の考え方・行動のありかたを具体的な言葉に表したものが行動の基準。各人がそれぞれの仕事に従事しながら、日々、本当にこれでいいのかと言う問題意識・改善意識を持ち、行動の基準にある考え方・姿勢・行動の仕方に照らし合わせて実践していかなければならない。