業績を決める決定要因を経営方針にする・・・・
■経営基本方針とは
3月決算の会社なら、4月1日から3月31日までの1年間12回戦の戦い方を、どういう方向性をもって戦っていくかを明確にする事である。
〇今年は売上高を上げる年
〇今年は粗利益高を重視する
〇今年は資金の回転を最重要項目にする等である。
これが経営基本方針である。つまり経営基本方針のレールを引く事により、正確に、そして迷える者を少なくして、ゴールに辿りつかせる可能性を高くする事が出来る。つまり、経営の要素と呼ばれる人・物・金・管理と、経営の機能と呼ばれる営業部門・製造部門・総務経理部門が1年間、どういう方向にどのような走り方をするか、そのレールを明確に示していく。これが経営部門の方針=経営基本方針ということになる。逆説的に観ると、経営基本方針を打ち出さないと、経営部門の機能は果たしていない。即ち、経営者並びに経営陣の基本的にして、最大かつ重要な仕事をしていないと言わざるを得ない
■経営基本方針は総論では絶対に効果なし
総論では重点・集中・徹底テーマが絞れず、戦う前から負け戦である。経営は限られた時間・資源等での戦いであるので、絞らないと中小企業は勝てない。
例えば、駄目な経営スローガンとして
〇チームワークで頑張ろう
〇世の中に認められる企業になろうがある。
気持ちはわかるが、具体的に『誰が、何を、どのように、どのくらいで、いつまでに』の決め事がないと実践は出来ないし、最大の問題は業績に貢献しにくい。
■今期の業績を決定する要因を掴み、その要因を具体的な商材にしていく。
今期の経営部門の業績決定要因とは、1年間、12回戦の戦い方の中で、何を最重要ポイントとして推進徹底させるかである。この業績を決める決定要因が何なのかをよく検討した上で、それを経営方針にするのが一番わかりやすいし、経営の運営方法としては非常にやりやすい。
これが、業績の上がる経営計画書の一番理想的な作成方法である。
Aスーパーは売上高向上の為には客数UPが必要と検討し、その為には固定客の来店頻度UPが必要だと考えた。此処まではよくある事である。具体的に固定客の来店頻度UPをどのようにしていくかである。そこでその方策を商材化しなければ具体的な動きは出来ない。Aスーパーはその為に会員制度導入を決めた。会員募集促進を図る為に販促割引カレンダーの親展を商材とし、徹底させる事を業績決定要因とした。
受注産業のメーカーB社は、今期の受注残から見て、売上が12億から9億と、3億下がる予測を立てた。このB社が考えた業績決定要因は、『減収減益の社内システムの改善』である。受注から見て、売上は下がる。しかし減収でも、同じ利益が出るようなシステムに社内をつくり変えようと検討した。
そして打ち出した経営基本方針が売上は9億でも利益の出る体制である。
その経営基本方針を受けて、B社のある部門の重点方針は
〇DRの実施率
〇材料費コストダウンを5%
〇開発費のコストダウン10%
〇設定工数を縮める 等と展開した。