マネジメントの本質は、決めた事を決めた通りにやらせていく事・・・

■戦術は人を動かす事
戦術とは人を動かす方策であり、ポイントは2つあり、マネジメントとHOW TOです。マネジメントの本質は、決めた事を決めた通りにやらせていく事です。HOW TOはノウハウであり、仕事の標準化です。組織は人が動かします。人が組織を動かしやすくする為には、やるべきことをパターン化する事。やるべき事のパターンを決めないから習慣化できにくいです。そのやるべき事をパターン化する代表的な経営施策が経営計画書や業績検討というものです。
 
■具体的計画の立案と周知徹底
訓練せずにぶっつけ本番で勝負しない事である。
具体的計画の立案と周知徹底は、目標が決まると、それをどういう方法で実践するかを具体的に考え、計画を作る事である。部門単位で考えると部門長が具体的な計画を作る。そしてその内容・方法をメンバーに周知徹底させなければいけない。
目標に向けての具体的な道順・手順・段取り・方法を皆に理解させ、出来るように訓練させる。
この周知徹底させる段階で
〇やり方がよくわからない
〇やった事がない等色々な問題が出る。

やり方をキチンと教えていく事も含めた周知徹底である。これが非常に重要である。中小企業の業務の問題点は標準化である。平たく言うと出来る人と出来ない人を作らない事である。業績の上がらない会社・部門は計画だけ作り、訓練せずにぶっつけ本番で勝負するから負ける確率が高くなる。
それを踏まえ、誰が何をいつまでにどういう方法でやるのかを5W2H形式にて役割分担を図る。
 
■出来映えの確認(全体と個)
問題の早期発見である。出来映えの確認とはチェックをする事である。
つまり、決め事が
〇キチンと消化されているかいないか
〇消化されていないものはどういうものなのか
〇誰がやっていないのかを確認する事である。
 
又、数値的な面で見ると今現状の進捗状況はどのぐらいで、月末までの見込みはどのぐらいになるかを考えていく事である。出来映えの確認の機能がないと、いくら具体的な計画を作って、役割分担しても、1カ月間ノーチェックで経過するから、月末に締めて出てきた結果が業績であるという発想になる。

業績が出たと業績を叩き出したでは根本的に違う。
途中のプロセスをキチンと確認していく事は業績を創り上げていくのと同時に成功事例、失敗事例の要因も押える事にもなる。これが会社固有のノウハウになる。
そのチェックポイントは、当月の対策は毎日、翌月以降の対策は毎週単位で実施していく。
 
■決め事の在庫はいらない
問題点の早期治療である。月初に決めた内容は月中・月末の間で状況変化が起こる。それに対し、素早く問題点を見つけ、軌道修正処理を行うのがスピードのある会社である。スピードのない会社は稼動日数ゴールに着いて、初めて問題があった事に気づくし、決め事も消化せずにいるから決め事の在庫の山を築く。これでは戦えない。
決め事は月をまたがないのが原則である。
やらなければならない事を当月中に終わらせる事が肝要であり、決め事の在庫はいらない。
 
軌道修正は現場の事を日々見つめるから、すぐに行う事が出来る。又、判断能力の高い現場長が居るとスピードよく対応できる。何から何まで経営者に頼る組織の場合は、この軌道修正のスピードが余りにも遅い。ましてや中小企業の場合は、報告・連絡・相談という重要基本動作が非常に苦手である。社長から連絡しないと部門長からは連絡が来ないという風土はありませんか。
 
そういう風土なら、軌道修正が必要な時でも、社長と会わなかったら軌道修正をかけられなくなる。このような部門長は決め事の在庫の山を築き、業績はさっぱりの状態になる。