後継者は全社員参画公開型経営での一体感づくりが向いている・・・

■公開経営に基づく全員参画が基本
この経営善計画書は経営者が独りで作成するものではない。経営者が独りで作成するから、方針が浸透しないのである。いろいろなやり方、手法があって、経営者が独りで計画書をつくるケースがある。それは経営全体の計画書ではなく、経営部門の計画書である。そこを誤解されがちである。

経営部門の計画書をつくって、経営部門の方針を、各部の方針に落とし込んでいかないから、全体の経営方針にならない。だから方針が浸透しないのである。経営組織態強化の原則からすると、経営者が方針・商材戦略を練り、幹部が戦術を考え周知徹底させ、全社員・パートナーが戦闘を役割に応じて実践するから“統一体としての力”が発揮できる。つまり、公開経営に基づく全員参画が基本なのである。
 
■計画書で一体感をつくる
この階層別の作成段階が最も効果的な実践的教育になり、社員が自己の存在価値・役割認識の確認をする。そして、このことが経営参加意欲の向上につながり、社員層の資質向上へとつながるのである。中小企業の成長の要因の一つは一体感である。創業者がつくってきた一体感のつくり方と、2代目の方、3代目の方がつくる一体感のつくり方は、根本的に違う。
 
創業者の方は、自分について来いという現場率先垂範型がベースであるが、2代目、3代目がつくる一体感は同じようなやり方では難しい。何故なら、キャラクターが違うからである。だから全社員参画公開型経営での一体感づくりが向いている。その代表的な経営技術が後継者を中心とした経営計画書づくりである。