伸びている会社の社長はしつこい・・・・

■方針の必然性
創業当初には、獣道をつくりは走り、見つけては走って行く。業績が安定期に入りつつある状態になれば、企業規模も10人、30人と大きくなり、いつまでも獣道を走っていては道に迷ってしまう。そこで必要となるのが道標をつくり、獣道を整備する事であり、この道標をつくる事こそが“方針”であり、社長の仕事である。
成果となって表れる経営計画という目標を具現化するための指針となる道標が“方針”なのである。
 
■ 方針と経営
方針なき集団の計画には計画を立案した当事者の自己満足が多い。それは何故か。
計画とは目に見えるものであり、方針とは目に見えないものであるからだ。方針とは、まるで生き物であるかの様に丁寧に水をやり、陽の光を当てなければすぐ枯れる。方針が真に“方針”と為るのは、根づかせ、そして血を通わせるからだ。血を通わせるとは「社員に対して常にそのことを訴え続け、浸透させること」である。
 
だから伸びている会社の社長はしつこい。これをやったか、あれをやったか、早くしろと、同じことを繰り返し言い続ける。基本的な事、当たり前の事を当たり前に出来るように口やかましく言う。定着させる為には大事な事である。中小企業の社長はそういう面では疲れる。しかし、やらないと誰もやってくれない。例えば、中堅会社になると、社長が言わなくても、定着させる技術を持っている。それが経営企画室であったりする。その機能の存在が中小企業にはないから、経営部門の発想が必要となる。
 
■方針のある計画とは
方針のある計画とは、喜びを醸し出すものであり、成長を助成するものであるが故、それをつくることは経営者の最大の仕事となる。自分の事を真剣に考える優秀な人にとって、組織での自分の目標、役割が明確でないと働きがい、遣り甲斐がない会社に映り辞めてしまう。

思い付きの経営から脱皮することが利益を叩き出して行くためのルールと基準づくりのスタートとなり、公開経営へ発展して行くためにも、方針という道標は絶対不可欠な条件となる。その道標を経営の要素・機能毎にまとめた羅針盤が、経営計画書である。