計画書をつくらない社長は経営者の仕事をしていないこと・・・

■経営計画書とは
経営計画書とは、企業が計画的にシステマティックに経営を推進し、目的・目標とする成果を収めやすくするための絶対的手段である。経営基盤には押えるべき観点が二つある。一つは経営要素であり、人・物・金・管理である。もう一つは経営機能であり、経営部門・営業部門・製造部門・総務経理部門の各機能である。この経営要素と経営機能を今年1年間どのような方向性に、どのように走らせるかを示す方策が経営計画書である。
 
■経営における方針の位置づけ
経営における方針の位置づけは組織集団を同じ方向に向かせる下記の原則でいうと4番目に位置する
〇経営理念
〇中期ビジョン
〇構造形成戦略
〇方針
〇商材戦略
〇戦術
〇戦闘
 
しかし、
〇将来に対して(理念から構造形成戦略)
〇今年に対して(商材戦略から戦闘)の扇の要である。

つまり方針が無ければ将来と今年単年度を結ぶ機能が無い事になり会社、社員は迷ってしまうので、経営運営上、最重要である。
 
■経営計画書は経営者が独りで作成するものではない
この経営計画書は経営者が独りで作成するものではない。経営者が独りで作成するから、方針が浸透しないのである。経営者が方針・商材戦略を練り、幹部が戦術を考え周知徹底させ、社員・パートナーが戦闘を役割に応じて実践するから統一体としての力が発揮できる。つまり、公開経営に基づく全員参画が基本なのである。
この階層別の作成段階が最も効果的な実践的教育になり、社員が自己の存在価値・役
割を認識する。そして、この事が経営参加意欲の向上につながり、社員層の資質向上へとつながるのである。
 
■計画書で重要な点
経営計画書において最も重要なことは7点ある。
〇企業の目的・目標を明確にする
〇目標数値(売上高・粗利高・営業利益・経常利益)達成のための戦略・戦術の立案
〇商材推進のために具体的計画の立案・周知徹底と役割分担の明確化
〇公開経営に基づく全員参画が基本
〇できばえの確認(全体・個)と軌道修正ができる仕掛けづくり
〇日常業務の中で使われる実践的な内容に焦点を絞る
〇経営方針達成時の分配のルールを明確化する
 
経営計画書を作れば、即儲かるのかという疑念を抱いている経営者もいる。結論からいうと儲かる内容の計画書を作らないから儲からない。大半の会社には目標に対する差が必ずある。その差を埋める商いの材料がないと当然だが目標達成できない。この違いを理解すれば儲かる経営計画書が出来る。
 
計画書をつくり、発表会はやるが、計画書は翌年の発表会まで1年間、机の中に眠っている会社がある。これでは意味がない。この繰り返しが続くと社員は足元を見る。とりあえず、これは1年間の儀式だから、発表会の時間だけ我慢しようと考える。そうすると、知恵を使わない集団になる。だから、計画書は現場で毎月活用せざるを得ない内容でつくらないといけない。
 
経営計画書は、経営の目的・目標そのものではなく、達成して行くための手段にしか過ぎないが、利益を叩き出せる経営態をつくるには絶対不可欠なものである。
つまり、計画書をつくらない社長は経営者の仕事をしていないことになるのだ。